マルフクと言ったらあの白地に赤の看板ですよね!地道な宣伝方法ですが、そのお陰でマルフクの知名度の高さはサラ金の中でもピカイチかもしれません。
マルフクは看板同様に長い歴史がある業者だけに、今でもあの電話番号に掛ければお金を借りることができればいいのですが、残念ながらそれはもう不可能になっています。
今のサラ金が以前よりもずっと借りやすくなったのは、実はマルフクの辿った変化とも大きな関わりがあるんですよ。それをこれからお話したいと思います。
お金を借りた経験のない方でも、あのマルフクの赤い看板を見た事のない方は居ないのではないでしょうか。「マルフク?なにそれ」と言う方も、実物を見たらきっと分かるはず。
そのくらい、マルフクの看板は日本全国津々浦々どこでも目にすることができます。ホーローやブリキなど風雨に耐える素材で、民家の塀や倉庫の壁面などに設置されているということもあって、マルフクの看板は現在でもまだあちこちに健在です。
しかし看板は知っていても、利用したことがなければマルフクがどんな会社か知らない方が殆どでしょう。マルフクは、全国展開していたサラ金業者だったのです。看板で有名ですが、一時はテレビコマーシャルも流れていたんですよ。
過去形なのは既に営業をしていないからで、看板に電話番号はしっかり残っているものの、もうそこに掛けても連絡は取れなくなっているはずです。
では当時のマルフクでは、どうやってお金を借りれたんでしょうか?マルフクの看板には数種類のバージョンがあるのですが、それぞれ社名や連絡先と共に、以下のような文字が記されています。
現在のサラ金の広告と比べれば情報量がいかにも少ないのが気になりますが、これが業務内容だということが分かります。これを見て利用したいと思ったら各自電話をかけて、問い合わせやローンの申込みをしていたんですね。
それにしても3番目の「生活キャッシング・振込ローン」は分かるのですが、お金を借りるのに「電話」が関わるというのは、今の方にはピンとこないのではないでしょうか?
実は昔は電話の加入権を担保にして、比較的まとまったお金を借りることができたのです。当時はマルフク以外にも、全国にこのような会社が複数ありました。
マルフクは電話加入権担保の融資だけでなく、それと並行して電話加入権を売買したり、会社等にレンタルすることでも収益をあげていたのです。
これはまだ電話回線を引くこと自体に、そこそこの資産価値のあった時代の話なのです。小学生が携帯電話を持つ今の時代から見れば、このようなことは殆ど理解できない話かもしれませんね。
しかし時代の流れと共に電話加入権の価値が下落しただけでなく、それに伴って加入権を担保に融資できる特例(貸金業法)も廃止される運びとなりました。
そこでマルフクも電話加入権の取扱いから手を引き、キャッシングや振込ローンといった通常のサラ金に形を変えたのです。そしてこのような経営の変化が、歴代の看板としてそのまま全国に残されているんですね。
「電話の金融・販売・レンタル」については、マルフクだけでなく他の業者も既に撤退して久しいはずです。因みに現在の電話加入権は7万円代から半減して3万円代となり、将来的には実質的に無価値(つまり0円)となるとも見られています。
ところでマルフクは、どのくらいの金利で営業していたのでしょうか?マルフクの看板には金利などは一切記載されておらず、どの看板も社名以外は電話番号とキャッシング等としか書かれていません。
マルフクが看板を設置し始めた頃はインターネットなど無かったでしょうし、その後もサラ金は電話で連絡を取るという形が多かったので、これは何もマルフクだけが特別なのではありません。しかし今の感覚から見れば、余りに情報不足という感は否めませんよね。
マルフクは全国に看板が見られることからも分かるように比較的大きなサラ金で、所謂ヤミ金の類いではないのです。しかしあの看板を頼りにこちらから連絡を入れるというのは、やっぱり抵抗を感じてしまいます。
ついそう思ってしまうほど、現在は利用者にも十分情報が与えられるようになったということなのでしょう。
マルフクの電話加入権時代の利用詳細についてはよく分からないのですが、比較的最近の生活キャッシング・振込ローン時代のことなら記録が残っています。マルフクの貸付条件は以下のようなものでした。
限度額 | 金利 |
---|---|
1万円から100万円 | 実質年率29.2% |
「金利、たかっ」と思う方も居られるかもしれませんが、これはマルフクが営業していた時代が、貸金業法改正以前だったからです。当時はこのレートでお金を貸すサラ金が殆どでしたし、当然その時点ではこれが適法だったのです。
年齢制限 | 必要書類 |
---|---|
20歳以上70歳未満 | 健康保険証と運転免許証 |
申込み条件を見ると、えらくアッサリしているように見えますね。必要書類以外には年齢制限だけしか記載されていません。
現在のカードローン利用条件なら必ず記載されている「安定した収入があること」という一言が見られないのは、改正法で導入された総量規制による収入の制限が、この時点ではまだかかっていないからなのです。
今現在営業している大手の消費者金融やクレジットカード業者も、この時代には軒並み20%以上の金利を取っていました。マルフクがサラ金として営業していたのは、実はこのような時代だったのです。
総量規制もまだ導入されていないため、収入のない専業主婦の方であっても、今よりも簡単にサラ金でお金を借りれた時代でした。
貸金業法は2006年より暫時改訂が進められ、2010年には完全施行となり、上限金利は29.2%から20%へと引き下げられました。但しこの金利の引き下げは改正のほんの一部で、実はそれ以外にも様々な変化が盛り込まれています。
本人の年収の三分の一を超える借入ができなくなる総量規制もそのひとつですが、この一連の法改正は、貸金業界にはこれまでなかったような大変化でした。
マルフクも、当然この打撃を受けることになります。それに先立って電話加入権の取扱いからサラ金一手に転換したものの、貸倒れや上限金利の規制強化もあって、徐々に再建は難しくなっていったようです。
その結果2006年には新規受付を停止、2009年にはとうとう廃業に追い込まれます。2006年より暫時進められていた改正法は、2010年の完全施行時には以下のようなことが待ち受けていました。
金利が引き下げられば、当然業者側の儲けは薄くなります。しかもこれまでならば貸せた人も、総量規制のために貸せなくなってしまうため、それによってもまた利益は減ることになります。
そこへ持って来て、以前の金利で借りた利用者から過払い分の返還請求をされる訳ですから、相当に体力のある業者でないと生き残れなかったでしょう。2009年には廃業に追い込まれたマルフクだけでなく、中小のサラ金の多くがそうだったのです。
でもこれは全て業者側から見た改正法です。私たち利用者側から見れば、これは全て裏返しとなってメリットになると考えられるのです。
とりあえず金利の引き下げは、どなたにとっても全面的に歓迎すべきことでしょう。しかしお金を借りる際に金利のことを気にする割には、意外にもこの金利の引き下げにはさほど注目が集まっていません。
多くの利用者にとっては、それよりも総量規制や過払い請求の方が、むしろずっと切実な関心事だったようです。
特に総量規制によって、自分がこれまで通りに借りれなくなるのでは心配をする声は、当時非常によく聞かれたものでです。
殆どのケースはただの心配で終ったのですが、その時点で既に借り過ぎていた方、そして専業主婦など自分自身に収入のない方については、実際にこれ以降サラ金ではお金を借りることができなくなってしまいました。
以前のようにサラ金で借りれなくなったとことは確かにデメリットなのかもしれませんが、借り過ぎが自動的にストップするのだとしたら、これは利用者にとっても決して悪いことではありませんよね。
また専業主婦の方も、銀行など総量規制のかからない借入先を選ぶことで、無理なく借りることができるのですから、決定的なデメリットだとは言えません。
また過払い請求も、長く返済を続けて来た方達にとっては朗報だったでしょう。ただ長年に渡って返済を続けている方ならば過払い分も多額となりますが、それ以下の場合には期待したほど戻ってこないといったケースもあるようです。
それにこの返還請求は、実は利用者側の負担も意外と大きいのです。たまに誤解している方も居られるのですが、ただ業者に訴えるだけでは1円も返ってきません。
お金を取り戻すためには、こちらで旧利息を新利息で計算しなおし、正確な請求額を割り出した上で、法的な手順に沿って返還請求をしなくてはならないのです。
この時間と手間とコストに見合う金額が返ってこないのでは、そもそも請求をかける意味がありませんよね。
更にマルフクのように現在既に営業をしていない企業については、先ずは請求先を探すところから始めなくてはなりません。経営が困難となった企業は、合併や吸収分割、売却を繰り返し、請求先の行方がすぐには分からなくなっていることも多いのです。
マルフクも債権譲渡をしていますから、返還請求はその譲渡先との交渉となるため、交渉は難航すると見られています。またマルフクが営業していたのはかなり以前のことだけに、これと同時に返還請求の時効(10年)のことも考えなくてはならないでしょう。
このようなこともあって、過払い請求をかけることは出来たとしても、それ相応の成果を得れるかどうかはまた別問題ではあります。
このようにサラ金を巡る非常に大きな変化を経て、マルフクのように営業できなくなってしまった企業もある一方で、利用者にとってはより安心して借りれる状況になってきています。
しかし法改正だけでそうなったと考えるのは不十分かもしれません。2006年に始まる法改正の流れと相まって、インターネットとブロードバンドの普及が大きな要因になっていると考えられるのです。
マルフクの看板は一例ですが、このような最少の情報だけで業者選びをしていた時代に比べると、現在私たちがサラ金を探す際の情報量には格段の差がありますよね。
自分から積極的に検索をかけ、画面上で複数のサラ金業者の貸付条件を見比べ、貸金業登録番号を確認したり、利用者の口コミ評価をチェックする、などなど・・・
このようにこれから自分が借りる業者を様々な方向から見定めることができるのも、インターネットあってこその話ではないでしょうか。
しかもゆっくりブラウジングできる環境が整っているからこそ、このようなことも可能になっているのです。更に最近ではケータイやスマートフォンなど、モバイルの充実も見逃すことができません。
誰もがしっかり自分の目でサラ金選びをできるようになっただけでなく、いつでもどこからでもオンラインで迅速に申込みができるようになったのも、やっぱりネットの力です。
実はマルフクも、あの赤白の看板だけで宣伝をしていた訳ではありません。テレビコマーシャルが流れていたことは既出ですが、サラ金時代になってからのマルフクにはオフィシャルサイトが存在し、そこから申込みもできたのです。
そこには利用条件や金利など、詳細が記載されており、それを見れば誰もが安心して申込むことができたでしょう。
インターネットのサイトは、看板や紙媒体とは比べ物にならないほどの情報量を提供できます。これからサラ金を選ぶ方にとっても、やはりサイトのチェックは絶対に欠かすことはできません。
これが無いと、細かい利用条件を知らないまま業者と接触することになりますから、必ずしも安全とは言いきれないのです。
こちらから連絡を取ってしまうと、相手の勢いに押されて断り難くなりますし、断った場合にもしつこく勧誘電話が掛かってくるといったことも、実によく聞かれる話なのです。
こういうことを避ける為にもこれから借りようという業者については、こちらから好きな時に気の済むまで閲覧できるオフィシャルサイトを開設していることが、やはり最低条件だと言えるでしょう。
しかしインターネットに自社サイトがあることが大前提だといっても、これだけでは安心できるサラ金であることの証明にはなりません。それぞれの自社サイトでは、以下のことを確認することがポイントになります。
これは、正規業者であるかどうかの確認なのです。ネットには、正規登録業者でないサラ金(つまりヤミ金)のサイトも多数存在します。気安く借りれそうに見えても、そのような業者で借りれば高利を取られてしまいますよ。
さて正規登録業者であることが確認できたら、その次には利用できるサービスやお得なキャンペーンのチェックも重要です。実際に利用することを想定すれば、利用できるATMの充実や手数料の有無にも気をつけたいですね。
でも本当は、それ以前にもっと大切なことがあります。急な出費がある場合は仕方ありませんが、そうではなくいつかカードローンを申込もうと思っているならば、なるべく余裕のある間に申込みをするべきだといことです。
慌てて申込むと、少ない情報で借入先を決めてしまったり、説明を読まずに選んでしまい、後から後悔するといったことが実によくあるからです。
これだけインターネットで情報が豊富に発信されているのですから、お時間のある時に是非じっくりとサラ金を選んでください。
マルフクが営業をしていた時代と現在が大きく違うのは、今は自宅に居ながらにして相当量の情報を集めることができるということと、そこで選んだ業者であれば、このようにどなたにでも安心してサラ金を利用できるようになったということなのです。
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