どの業者から借り入れするかを選ぶとき、金利を基準に考える方も多いのではないでしょうか。同じ金額を借りても、金利によっては返済額に大きな差が出てきますから、金利を重視するのは当然のことですよね。
しかし、この金利というものは、どのように決められているかをご存じですか?各サラ金業者が独自に決めているのはもちろんなのですが、その大前提に「法定利息」というものがあるんです。
法定利息は何%なのか、どんな法律によって決まっているのかという基本的なところから、金利を節約する方法まで、今回は金利というものについて広く考えてみたいと思います。
まずは法定利息というものが何なのか、法定利息が定められた背景には何があるのか、そんな基本的なところから見ていきましょう。
サラ金を始めとする貸金業者には、「貸金業法」という法律を遵守して営業する義務が課せられています。その貸金業法というものを、簡単に知っておきましょう。
貸金業法は、1983年に公布および施行された、貸金業者の登録制度など適切な貸金業務を推進するための法律です。
社会の状況などに応じて改正が繰り返され、現在施行されているのは、2006年に公布された後、段階を踏んで2010年に完全施行されたものです。
現在の貸金業法に改正されたときのポイントは、以下の3つです。
つまり、貸金業法の中に金利に関するルールも定められていて、しかもそのことが最新版の改正貸金業法の大きな目玉ともなっているのです。
そして、貸金業法で定められている金利のことを、法定利息または法定金利と呼ぶのです。
2010年に新しい貸金業法が施行される前までは、グレーゾーン金利と呼ばれる金利が主流でした。
グレーソーン金利に関しては、「出資法」と「利息制限法」という法律が関係しています。どちらの法律にも金利に関する規定があるのですが、かつては出資法と利息制限法に定められている上限金利は、以下のようになっていました。
法律 | 上限金利 |
---|---|
利息制限法 | 借入額が10万円未満:年20% 借入額が10万円~100万円未満:年18% 借入額が100万円以上:年15% |
出資法 | 借入額にかかわらず29.2% |
利息制限法では最高でも20.0%に決められていた上限金利ですが、出資法上限の29.2%を超えない限り、刑事罰の対象とはなっていませんでした。なので、本当はダメなのですが、刑事罰にならないギリギリの29.2%を上限金利とするサラ金業者が多かったのです。
そして、厳密に言えば違法だけれども、現実にはまかり通ってしまっていた15.0%~29.2%までの金利を「グレーゾーン金利」と呼ぶのです。
先述の通り、このグレーゾーン金利は、2010年の改正貸金業法にて撤廃されました。そして、現在の法定利息は、上記の利息制限法の水準になっています。
つまり、借入額に応じて15.0~20.0%が、法定利息というわけです。
そして、この法定利息を越える金利については、たとえ出資法の上限金利の範囲内だったとしても、刑事罰の対象となりました。法定利息を守っていないサラ金業者は「闇金」と呼ばれる違法業者ですので、絶対に利用しないようにしましょう。
では、どうしてグレーソーン金利が撤廃されて、現在の法定利息となったのでしょうか?
グレーゾーン金利時代の29.2%というのは、今の法的金利に慣れている人からすると、驚くべき数字ですよね。この高い金利では当然、返済は厳しくなります。金利分を返すだけで精一杯で元本はなかなか減っていかず、やむなくまた借り入れをするという悪循環に陥る人も少なくありませんでした。
現在の法定利息とそれに至る流れをご説明したところで、次は少しでもオトクに借りるために、どのサラ金業者がどれくらいの金利で貸し付けを行っているのか比較してみましょう。
では、さっそく大手サラ金各社の金利を見てみましょう。
会社名 | 下限金利 | 上限金利 |
---|---|---|
アコム | 3.0% | 18% |
アイフル | 4.5% | 18% |
プロミス | 4.5% | 17.8% |
モビット | 3.0% | 18.0% |
こうして比べてみると、モビットの下限金利が群を抜いて低金利であることが分かりますね。
しかしこれは限度額が800万円となっており、上記の他のサラ金会社よりも大きいためです。
金利の目安は、業者の種類や規模によっても違ってきます。そこで、大手の次は中小規模のサラ金業者の金利を比較してみましょう。
会社名 | 下限金利 | 上限金利 |
---|---|---|
スカイオフィス | 15% | 20% |
セントラル | 4.8% | 18% |
フクホー | 7.3% | 18% |
アロー | 15% | 19.94% |
ご覧のように、大手に比べると金利があまりよくない業者が多いです。大手とは顧客数が違いますのでやむを得ないのですが、そんな中ではセントラルは大手並みに低金利と言えますね。
大手では借りられない人でも融資の可能性があるなど、中小規模ならではの良さもありますので、金利も含めて総合的に判断したいものですね。
では最後に、広義ではサラ金の一部とも言える、銀行系や信販系の金利を見てみましょう。
会社名 | 下限金利 | 上限金利 |
---|---|---|
三菱東京UFJ銀行 | 4.6% | 14.6% |
三井住友銀行 | 4.0% | 14.5% |
イオン銀行 | 3.8% | 13.8% |
オリコ | 4.5% | 18% |
セゾン(マネーカード) | 15% | 15%(一律) |
全体的に銀行系は低金利なのが特長です。
その分、審査が厳しい傾向があるのですが、属性に自信があって金利を節約したい方は、銀行系がねらい目です。
金利を比較する際、下限金利に注目しがちです。下限が低金利なら、その分上限金利も良い場合が多いので、間違いというわけではないのですが、特に借入が初めてという方は上限金利にもあえて注目されることをオススメします。
なので、大手の中から借入先を選びたいときは、金利よりもその他のキャンペーンや借りやすさなどを基準に決めても、それほど金利で損をすることはないのではないでしょうか。
一方、銀行系では、上記でご紹介したものだけでも13.8~14.6%と、少し差が大きくなります。ですから、銀行系の中で検討したい場合は上限金利を基準に選ぶ事にも意味があると言えるでしょう。
金利に関していろんなお話をしてきましたが、そもそも金利がゼロになればそれが一番うれしいですよね。サラ金業者の中には、条件付きで金利をゼロにするキャンペーンを行っているところが、けっこうあります。
今回は大手の中から、そんな金利ゼロキャンペーンをご紹介します。
大手の中でも知名度では代表的なアコムにも、30日間無利息キャンペーンがあります。このキャンペーンを利用するための条件は、以下の通りです。
つまりは、アコムを初めて利用するという人はみんな30日間に限り、無利息で借りられるということです。以下にご紹介する他社の無利息キャンペーンも同様ですが、30日以内に返済すれば1円も金利を支払うことなく、借りた金額をそのまま返すだけでいいということです。
ということは、給料日の直前に借りて、お給料が入ったら返済するといった方法で、このキャンペーンを最大限活用できるのです。
ただし、アコムの場合は「借入日の翌日から」ではなく、「契約日の翌日から30日間」が無利息期間となることにご留意ください。契約しても借入しないまま30日が過ぎてしまえば、無利息キャンペーンは使えなくなってしまいます。
SMBCコンシューマーファイナンスのサラ金部門である「プロミス」にも、30日間無利息キャンペーンがあります。プロミスの場合は、以下の条件を満たす人が対象となります。
プロミスの場合は、アコムと違って「借入日の翌日から30日間」が無利息期間となります。今すぐ借りないかもしれないけど、とりあえず契約だけしておきたいという人は、プロミスを選べば無利息期間を無駄にすることなく使えますね。
新生銀行カードローンのレイクには、2種類の無利息キャンペーンがあります。
2つの無利息期間を併用することはできません。どちらを選ぶかは、借入額や返済計画によって変わってきますね。
レイクも無利息になるのは、「契約日の翌日から30日もしくは180日」です。契約したらすぐに借り入れて、せっかくの無利息期間を無駄にしないようにしましょう。
アイフルも、2016年2月から利息ゼロキャンペーンを始めています。対象になるケースは、以下の通りです。
無利息期間は、アコムやレイクと同じく「契約日の翌日から30日間」です。借入をした日から30日間ではないので、注意が必要です。
今回、上記にご紹介したところ以外の大手や、中には中小規模のサラ金にも無利息期間がある業者もあります。興味のある方は、ぜひ探してみて下さいね。
現在の法定利息は、借入金額に応じてそれぞれ上限が15%、18%、20%と定められており、これを越える金利は刑事罰の対象となっています。この上限金利は貸金業法によって規定されているもので、遵守していない業者はいわゆる闇金ですので、関わってはいけません。
大手はもちろん中小規模のサラ金にも正規の業者は多いですから、その中でもより金利がお得なところを探して、上手に借り入れと返済を行っていけるとよいですね。
特に大手は、初めての人は金利がゼロになる期間を設けているところも多いので、うまく活用して金利を節約しましょう!
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