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【知識】サラ金を利用するなら知っておきたい!グレーゾーン金利

消費者金融のカードローン(フリーキャッシング)の金利、どう思いますか?使いやすいし助かるという点は大きなメリットですが、その分金利が高いな~…なんて思ったりすること、絶対に一度はあるのではないでしょうか。

しかし、そんなことを言っていたらちょっと前まで消費者金融を利用していた人に怒られてしまうかもしれません!なぜかって?それは、昔の金利は20%超えはあたりまえ、25%で貸しているところもあったからなんです!

どうしてそんなに金利が高かったのか?その秘密は「グレーゾーン金利」にあります。今ではもう知らないという人もいるかもしれません、このグレーゾーン金利ですが、いったいどういう経緯で生まれたのか?どうして現在はグレーゾーン金利がなくなったのか?

グレーゾーンが生まれたときからグレーゾーンがなくなるその時まで、順番にわかりやすく解説します!

金利を決める2つの法律とは

グレーゾーン金利についてお話するにあたって、切っても切れない2つの法律があります。その2つの法律が「出資法」と「利息制限法」です。

出資法とは

出資法とは、実は正確な名前ではありません。本来の名前は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」という、かなり長い名前です。いちいちこれを言うのはとっても面倒ですよね…(笑)なので、通称である「出資法」と呼ばれているのが一般的なんです。

さてこの出資法ですが、その名前の通りお金の借り入れや貸し出し、それに伴う金利に関することが決められた法律で、制定されたのは1964年(昭和29年)です。法律名に金利が入っていることからわかる通り、サラ金などの金利を決める点にも一役買っている法律です。

出資法で定められているのは主に

  • 銀行など定められたもの以外が不特定多数から預金など「預かり金」と言われる行為をしてはならない
  • 金融機関の人がその地位を利用してお金の貸付を行う(浮き貸し)ことの禁止
  • 業務としてお金を貸す場合、仲介手数料を出資法に定めた利率以上で取ってはいけない
  • 金銭消費貸借契約(いわゆるサラ金など)の際、出資法にて定められた金利を超えて貸し付けてはいけない

といった内容になっています。

ここで重要なのは、出資法では「出資法で決めた金利を超えた場合は罰則がつきますよ!(だからそれ以上の金利で貸してはいけませんよ)」と、法外な金利でお金を貸すことを制限しているんです。

これはお金を高すぎる金利で貸すことによって消費者が非常に不利になってしまう、そのような悪徳業者が蔓延するのを阻止するための法律といっていいでしょう。ちなみに出資法では高金利に関する処罰は第5条にて制定されており、以下のようになっています。

  • 金銭の貸付を行う者が、年109.5%(うるう年の2月29日を含む1年については109.8%)、つまり1日0.3%を超える割合による利息の契約をした場合、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金
  • 金銭の貸付を行う者が「業務として」金銭の貸付を行う場合、年20%を超える割合による利息の契約をした場合、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金
  • 金銭の貸付を行う者が「業務として」金銭の貸付を行う場合、、年109.5%(うるう年の2月29日を含む1年については109.8%)を超える割合による利息の契約をした場合、10年以下の懲役または3000万円以下の罰金

業務として金銭の貸付を行う…つまり銀行や消費者金融のカードローンについては、年20%を超える金利にした場合罰則及び罰金があるということです。法人の場合は罰金がさらにあがり、3000万円以下となります。そしてさらに、この罰則が適用されるタイミングも厳しくなっており、

  • その金利を超える分を受領した場合
  • その金利を超えた金利での支払いを要求した場合

この2つの場合にも罰則が適用されます。つまり、実際に払っていなくても「21%で払ってください」と要求した時点で罰則が適用されることになります。

現在では20%と定められていますが、何度も改正を重ねて落ち着いたものです。表にしてみるとわかりますが、出資法が制定された1954年から段階的に罰則の上限となる金利が変わってきているんです。

改正年度 上限金利
1954.6.23~ 109.5%
1983.11.1~ 73%
1986.11.1~ 54.75%
1991.11.1~ 40.004%
2000.6.1~ 29.2%
2010.6.18~ 20.0%

こう見ると、最初の109.5%とかとんでもない数字ですよね(笑)。そのころはお金を貸す会社もほとんどなかったので大きな問題にもならなかったのでしょう。いわゆる「グレーゾーン金利」として問題になっていた時期の出資法による罰則が適用される金利は下から2番めの「29.2%」です。

利息制限法とは

そしてもうひとつの法律、利息制限法です。利息制限法とは、その名の通り利息を制限するための法律です。金銭消費貸借契約を交わす貸主と借り主の間で金利を決めることが基本的には可能なのですが、その際にかなりの高金利を設定してしまうとこちらもトラブルの元になってしまいます。

そのため、この法律で金銭消費貸借契約の際に定める利息の上限を決めてしまおう!というものです。利息制限法で定められた金利を超えると、いくら貸主と借り主の間で決めた金利であっても超えた分は無効になります。

この利息制限法は個人や法人という点でも関係がなく、事業か否かも関係がありません。また、以下のように金額によって上限となる金利の上限が決まっています。

元金 上限金利
10万円未満 年20%
10万円以上~100万円未満 年18%
100万円以上 年15%

このように金利が決められてはいるのですが、この利息制限法には守らなかったことによる罰則はありません。

金銭消費貸借契約とは?

2つの法律を説明するに当たって出てくる「金銭消費貸借契約」に関しても軽く説明を入れておきたいと思います。

金銭消費貸借契約とは、将来的に弁済することを双方で約束(契約)した上で、金銭を消費する(使用する)ために借り入れる契約のことです。銀行や消費者金融(サラ金)のカードローンや住宅ローンなどの契約はすべてこの金銭消費貸借契約にあたります。

契約書などの書面があるなしにかかわらず、貸し主が借り主に対してお金を貸した段階でこの契約は締結されたという扱いになりますが、後々のトラブルを防ぐためにも書面に残すことが多いです。

その主な内容としては

  • 貸主と借り主の氏名
  • 貸付日
  • 貸付金額
  • 返済の時期や方法
  • 利息の定め
  • 遅延損害金の定め
  • 期限の損失理由

などです。項目でかならず入れなければいけないものというのはなく、両者がお互い納得しているのであればお互いの名前だけでも問題はありません。カードローンなどの契約にあたってはしっかりと記載されています(これは別途法律で決められているため)。

グレーゾーン金利が生まれた理由

前置きが少々長くなってしまいましたが、いよいよグレーゾーン金利が生まれた理由を解説しますね。

グレーゾーンには「出資法」と「利息制限法」の2つが大きく関わってると言いました。そこで軽くおさらいをしてみますと、まず利息制限法では以下のように元金に対する金利が以下のように制限されています。

元金 上限金利
10万円未満 年20%
10万円以上~100万円未満 年18%
100万円以上 年15%

元金が少なければ少ないほど、金利は高くなっていく形ですね。さて、それでは出資法ではどうなっているでしょうか。

現在の出資法では定められた上限金利が20%ですが、グレーゾーン金利の時代は定められた上限金利は29.2%でした。利息制限法で定められた上限金利の中で一番高い、10万円未満の借り入れの金利と比べてもその差は「9.2%」になります。

そのうえ、利息制限法には定められた罰則というものがありませんでした。確かに法律として定められているのは間違いないのですが、違反した場合にもお咎めなしというわけです。

対して出資法の場合は懲役または罰金といった刑罰による厳しい罰則が定められています。もちろん会社としてお金を貸している場合、このような罰則を受けてしまうことになれば営業に大きく支障が出ますから、これを違反しようと考える会社はまずありません。

この「違反はしているけど罰則はない、スキマの9.2%」がいわゆる「グレーゾーン金利」と言われているものなんです。

グレーゾーン金利は当時の消費者金融など、大手であってもすべてといっていいほどが適用していました。赤信号をみんなで渡れば怖くないといいますが、まさにそんな感じですね。あくまでグレーだしアウトじゃない!ということでしょう。

当時の消費者金融の金利は20%を超えるのは当たり前で、25~27%で貸しているのが普通でした。出資法の上限金利である29%で貸しているところもありました。現在の18%程度で収まっているのと比べると、10%以上も高かったことになります。

しかし思い出してください。利息制限法の条文によると、「利息制限法で定めた金利を超えた分の弁済は無効とする」という一文があります。つまり、利息制限法で定められた金利よりも高いグレーゾーン金利でお金を借りても、超過した支払い(弁済)は払い過ぎとなって手元に返ってくるもの…といえますよね。

グレーゾーン金利でも当時はそうなりませんでした。それはなぜか?…なぜなら、「みなし弁済」という規定があったからです。

みなし弁済が後押し

みなし弁済規定は、「貸金業者」に対して適用される法律「貸金業法」にて定められていた法律のひとつです。こちらも現在では撤廃されていますので、今後カードローンでお金を借りようと思っている方は心配しなくても大丈夫ですよ。

このみなし弁済規定は、当時の消費者金融の違法を後押ししているような法律と言えました。なぜなら、利息制限法よりも高い金利でお金を貸し出すのははっきりとした法律違反です。罰則がないから意図的に無視しているだけであって、実際に罰則が設けられている出資法に違反することはありませんでしたからね。

なぜ法律違反を後押ししているのかと言うと、本来は超えてはいけない利息制限法で定められた金利を、みなし弁済規定で定められた条件を満たしている場合は(当時の)出資法の上限である29.2%までの金利貸し出すのをよしとしているものだからです。

その条件はとっても厳しいのかな?ってなんとなく思ってしまいますよね。本来法律で定められている金利を超えて貸し出すのですから。それではみなし弁済と認められる規定をみてみましょう。

みなし弁済と認められる条件

みなし弁済と認められる条件は以下の5つです。

  • お金の貸主が貸金業登録されている貸金業者であること
  • 貸金業規制法17条所定の要件を満たす書面(17条書面)を借主に対して交付したこと
  • 貸金業規制法18条所定の要件を満たす書面(18条書面)を借主に対して交付したこと
  • 借主が利息の支払いと認識して利息を支払っていること
  • 借り主が任意に約定利息を支払ったこと

最初の条件はまあ、簡単といっていいでしょう。基本的にお金を貸すのはサラ金などです。

貸金業規制法17条の書面というのは、貸主が借主に対してお金を貸す際に交付するものです。契約書と思っておけばOKですね。そこに記載しなければならない内容は

  • 貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所
  • 契約年月日
  • 利用限度額
  • 貸付金額
  • 貸付の利率
  • 返済方法
  • 返済の回数
  • 契約者の商号、名称又は氏名及び住所
  • 期限の利益の喪失の定めがある際はその旨
  • 賠償額が設定されている場合はその旨

などなど、法律で細かく定められたものになっています。きちんと法律で定められた項目すべてを記載していないと、みなし弁済が適用されません。

18条書面に関しても同様で、こちらは弁済を受領した際に交付するものになります。内容は17条のものと似通っており、

  • 貸金業者商号・名称、氏名、住所
  • 契約年月日
  • 貸付金額
  • 受領金額
  • 金利

などが記載されたものになります。こちらも法律で決められた項目をすべて記載しなければなりません。

任意と認識?

残りの条件で「利息と認識している」やら、「任意で支払う」やらなんとも難しい言い回しとなっている部分がありますよね。

利息と認識しているというのは、返済額のうち何割が利息で何割が元金かを理解した上で返済している、という意味になります。しかしながらあまり細かく計算をしている人というのは少なく、大抵の方は「そんなもんかな」といった形で言われるままに支払っていたのではないかと予想されます。

「任意で支払う」というのは、今自分が借りているお金の返済を自分の意思で行っている…と考えていただければOkかと思います。まあ、借りたお金は返さなければいけませんのでこれは当然とも言えるところですよね。

ただ、脅迫されて支払わされたり、悪質な取り立てをして支払わされたという場合は「任意」からは外れますので無効と言うことが出来ます。とはいえ、そのような取り立てをしているようなところで無効を訴えようとしても非常に厳しいところではあったかと思います…。

サラ金が利益を得る体制が完成

このグレーゾーン金利とみなし弁済規定により、サラ金がしっかりと利用者から高い金利でがっぽがっぽと利益を得る体制が完成したわけです。異常だと思わなかったのか不思議ではありますが、当時の人は「そんなもの」と思って利用していたようですし、政府主導でこのような法律を作っていたわけですから、色々ともやもやしたものはありそうですよね。

高い金利で貸せば貸すほどもうかる、という図式が出来ていました。毎日のように激しくサラ金のCMは流されていましたし、有名になったCMも数多くありましたよね。

とはいえそのような栄華は長く続きません。数年後、業界の健全化に大きく動くことになります。

その後の健全化の流れ

ぐんぐんと業績を伸ばしていったサラ金(消費者金融)でしたが、2006年の1月13日、シティズという商工ローンに対して払い過ぎた利息を返還請求する裁判において、最高裁にて「みなし弁済は無効となる」という趣旨の判決がくだされました。

この判決をきっかけに、グレーゾーン金利の撤廃及びみなし弁済の撤廃、貸金業法の改正などと大きくサラ金などを取り巻く環境が変わっていったと言えるでしょう。

すぐにグレーゾーン金利の撤廃などは政治的な面もあり行われませんでしたが、順次債務者に対して不利だったものは改正されていきました。最終的には2010年6月の法改正により、

法律 主な改正内容
出資法 上限金利を29.2%から20%に引き下げ
貸金業法 グレーゾーン金利の撤廃
貸金業法 総量規制による過剰貸付の抑制
貸金業法 みなし弁済の廃止

このような貸金業の健全化が行われ、現在の消費者金融や銀行カードローンのような金利に落ち着きました。

過払い金返還請求も

判例が出たことにより、全国各地で払い過ぎた利息を返還してもらうための動きも大きくなりました。現在でも過払い金返還請求に関するテレビCMや広告をよく見ますよね。もちろん払い過ぎた利息を変換してもらうのは払い過ぎた債務者の権利ですから、したほうがオトクということになります。

多くの消費者金融は法改正による上限金利の引き下げと、この過払い金返還請求によって会社のパワーがかなり小さくなり、大手であっても倒産してしまうことも珍しくありませんでした。

なんとか生き残った消費者金融は銀行のグループ会社として吸収されるところもかなり多くなりました。当時からかなり大手であったアコム、プロミス、レイクは現在銀行の傘下にあります。

法改正より前にお金を借りていた人(2010年よりも前)であれば、お金を払いすぎている可能性がありますので一度チェックされてみるといいと思います。この請求は最後の支払い(返済)から10年経過してしまうと時効になってしまいますので、お早めに!

現在はサラ金も利用しやすく

今では金利も18%前後で借りることが出来、非常にサラ金(消費者金融)や銀行のカードローンなど、利用しやすくなりました。それでもまだ金利は高め…ではあるのですが、昔に比べると(違法だったので当然ですが)かなり低くなったなと思えるのではないでしょうか。

なんとなく、ここまでの歴史を知ると「いろいろあったんだなぁ~」と思わず消費者金融に対して同情してしまうかもしれませんね。今でこそ健全化されてきましたが、それでも未だに借り過ぎてしまう方、自己破産してしまう方というのは少なからずいます。

法律である程度制限をかけることはできても、ひとりひとりの借り方をきっちり管理するということは出来ません。自分でもしっかりと自制して、便利かつ充実したマネーライフを送ることが大切ですね。

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