今までお金を借りたことがない人でも、借りようと思えば必ずするのが申し込みです。一度申し込みをすれば、初心者かどうかは関係なく、平等な審査にかけられるのが常識というもの。
でも、この審査が怖いという人もいます。確かに「審査」という言葉そのものが、結構重苦しく感じますよね。
お金を借りる時、どんな審査がされているのでしょう。また、どんな条件であれば、審査に通過することができるのでしょうか。
スコアリングシステムという言葉を聞いたことがありませんか?もしかすると最近、ネットや口コミでよく知られるようになってきているかもしれませんね。このスコアリングシステム、審査の段階でとても重要なポイントになるシステムなのです。
申込者が送付してきた個人情報を、項目ごとに点数化することをスコアリングと言います。そしてその合計得点が高ければ高いほど、審査に通過する可能性が高くなりますし、逆に低ければ低いほど、通過する可能性が低くなると言われています。
スコアリングシステムには、このような利点があります。特に近年、キャッシングやカードローンの審査は速度性が求められており、スコアリングシステムのような方法は、時間の短縮にもってこいと言えるでしょう。
では、そのスコアリングシステムで点数化される時、一体どんな項目が何点として扱われるのでしょうか?それを知っておけば、申し込む前に、大体の結果を考えることができて便利ですよね。
しかし残念なことに、これらのスコアリングシステムは、各社共通ではありません。銀行系にしろ消費者金融系にしろ、それぞれの会社で独自の基準で運営されています。A銀行では高い点数でも、B銀行では低い点数になる、ということもあるかもしれません。
確実ではありませんが、常識的に考えて各社で共通しているのではないかと考えられる項目は、おおよそ以下の通りだと言われています。
これらの情報は、申し込みの段階で、本人が直接申込書に記入しているはずです。本人としては何の気なく書いた情報かもしれませんが、スコアリングシステムでは、個人情報として重要に取り扱われることになっています。
スコアリングシステムで見られる項目から分かるのは、その人がどれだけ返済能力があるか、社会的にどのような人であるのかということです。これを属性と言います。この属性に対する点数で、審査の結果に影響が出ます。
項目 | 分かる内容 |
---|---|
年齢 | 法定内の年齢であるか (18歳以上であるか、高齢なら何歳か) |
職業・就労形態 | 正社員であるか、それ以外であるか (安定した収入が期待できるのか) |
年収 | 多いか少ないか (返済に回すお金はあるのか) |
勤続年数 | 何年働いているか (継続した収入を期待できるか) |
勤務先 | どのような会社に勤めているか (大手であれば高収入が期待できる) |
家族構成 | 既婚、未婚、子どもの有無 (自由に使えるお金がどれくらいあるのか) |
住居形態 | 持ち家か賃貸か (住宅ローンがあるかどうか) |
このような内容をチェックされ、属性が明らかになっていきます。これらの基準は大変明確なものになっていることがほとんどで、機械的なチェックで、短時間のうちに審査を終えられるという利点があります。
スコアリングシステムで重要視される項目の中に、勤務先という項目があります。大手であればあるほど高収入が期待できるので、同時にスムーズな返済が予想できるわけです。よって、大手勤務の人ほど、審査に通りやすいと言われています。
ただ、いくら大手に勤めているからと言っても、その就労形態によっては優遇されないことも。一番良いとされるのは正社員という働き方です。しかし、今の時代、アルバイトやパート、派遣社員、契約社員も少なくありませんよね。
スコアリングシステムでは、年収が高ければ高いほど、良い点数がつけられます。すなわち、審査に有利に働く項目だということですね。こうなると、年収が低い人は点数も低く、審査に通ることは難しいのでは?と予想しがちです。
しかし、実際はそこまでではありません。特に消費者金融などに顕著に表れています。確かに点数は低くなりますが、だからと言って即NGというわけでもないのです。
要は、その人の年収の中で、コントロールできる金額だけを貸付れば良いという考えなのですね。また、消費者金融では総量規制がありますから、年収の三分の一以上の借入・貸付はできません。よりきちんとコントロールした貸し借りができることでしょう。
このように、スコアリングシステムで低い点数がついたとしても、各金融機関の方針によっては即座に審査に落ちるということはないようです。それでもひとつの指針として、強力な力を持っていることは事実ですので、ぜひ覚えておきましょう。
ここまでスコアリングシステムについて説明しましたが、それでも納得できない人もいるのではないでしょうか。
こんな人も必ずいるかと思います。しかし、理由もなく審査に落ちることはないというのもまた事実なのです。スコアリングシステム以外で審査に落ちてしまう理由を考えていくことにしましょう。
債務整理や自己破産は論外と言える論外ですが、どこかでお金を借りた時、その返済の日に遅れてしまったり、うっかり二ヶ月も三ヶ月も滞納してしまったりと、そんな記憶はありませんか?それなりに時間が経っていると、もう忘れてしまっているかもしれませんね。
しかし、現実は無情なものです。一定の期間が経たなければ、たとえ本人が忘れてしまっていても、信用情報機関にしっかりとその記録が残っています。
信用情報機関を知っている人も多いでしょう。過去に金融機関から借りたお金についての記録が、ほぼ全て残っている機関のことです。いつ借りたのか、金額、返済態度など、細かいことまで残っていることがほとんどです。
信用情報機関は、金融機関の種類によって、利用する先が違います。日本全国に3つある信用情報機関の利用内訳は以下のようになっています。
信用情報機関 | 利用金融機関 |
---|---|
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行、信用金庫系 |
株式会社 シー・アイ・シー(CIC) | 信販会社 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融 |
過去にお金を借りたことがある人は、ここにご自分の記録が残っていると考えた方が良いでしょう。一定の期間が経てばその情報は消去されますが、場合によっては長く残る情報もあります。
長く残る情報は、主にトラブルの記録です。返済トラブルを一度でも経験している人は、もしかするとまだその記録が残っているのかもしれません。それが理由で今、他のキャッシングやカードローンの審査に通過できないという可能性があります。
過去にお金関係でトラブルを起こした記憶がある人は、各信用情報機関でご自分の情報を調べてみてはいかがでしょうか。トラブルの記録がまだ残っているかもしれません。
もしもトラブルを起こした記憶がある人は、そのトラブルからどの程度の期間が経っているかを考えてみましょう。以下の期間を参照して、心当たりがまだあるようなら、ぜひ確認してみて下さい。
トラブル内容 | 保管される期間 |
---|---|
返済遅延 | 平均で5年 |
滞納 | 平均で5年、複数回だと7年になることも |
自己再生などの債務整理 | 5~7年 |
自己破産 | 基本的に10年だが、5年であることも |
おおよそ5年から10年と考えるのが妥当なようですね。もしも身に覚えがある人は、本当に記録が消えているのか、それともまだ残っているのか、確認した方が良いでしょう。もしも記録が残っているのに申し込みをしても、審査に通過できないのは当然です。
情報開示手続きには一定の手数料がかかりますが、大体1000円から1500円となっています。決して安い金額ではありませんが、安心を買う金額だと割り切ってみてはいかがでしょうか。
ここまでで、どれに対しても強く心当りがない人もいるかと思います。
こうなると、考えられるのはかなり初歩的なことになってきます。よくある審査に落ちる理由として、実は「誤字・脱字」があるのです。ここまで真剣に考えて来た人には驚きの内容かもしれませんね。
誤った個人情報では正確な審査ができません。審査に通過しないのも当然と言えるでしょう。次に申し込みをする時は、必ず何度も最終チェックをして下さいね。案外、本当にこれだけで問題が解決してしまうかもしれませんから……。
次に考えられる初歩的なミスとしては、申し込みブラックが挙げられます。これは初心者がよくやってしまいがちなミスなのですが、名前の通り、ブラックという物騒な単語がついてしまう時点で、あまりよくないものであることが分かりますね。
この2つの状況に心当たりはありませんか?もしあるのなら、残念ながらあなたは「申し込みブラック」として審査に通過できなかった可能性が考えられます。
申し込みブラックにならないよう、カードローンやキャッシングの申し込みは、本命を一社に絞って申し込むようにしましょう。どうしても何社も申し込みたい人は、少し期間を開けてから申し込む方が良いですよ。
申し込みブラックは、他のブラックに比べればずっと軽いものです。それでもブラックなのですから、それなりに信用情報機関に情報が保存されることになります。この情報がある間は、できるだけおとなしくしておいた方が良いでしょう。
どんなに審査に通過できなくても、それなりに理由があるのだから当然です。なぜ落ちたのかを考えて、次から少しだけ、気を付けてみてはいかがでしょうか。きっと良い結果に近づけるはずですよ!
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