希望の高校や大学に受かった後、必要になるのはやっぱり「お金」。自分の大切な我が子が志望校に受かるのはとても嬉しいことですが、それとこれとは話が別ですよね。
特に入学金や授業料など、入学時の費用はバカになりません。どうしてもお金が足りないなら「教育ローン」などを利用するべき…ですが、それを「カードローン」で賄うとどうなるのでしょうか?十分に利用できそうな気がしますが、金利面など気になる部分もあるのは確かです。
そこで今回は、金融機関の教育ローンとカードローン、さらに「教育カードローン」というカードローンタイプの教育ローンも含めてそれぞれの特徴や違いを解説します。
入学金を借りるために考えられる手段は、「カードローン」または「教育ローン」といったところでしょう。
カードローンは銀行だけでなく消費者金融でも利用することが可能ですが、教育ローンは基本的に銀行や信用金庫などの金融機関からしか利用することが出来ません。
どっちかオススメと言えるのか、ケースごとに考えてみたいと思います。
最終的な返済の負担を考えるのであれば、断然銀行などの教育ローンを利用するのがオススメです。
例えばカードローン「バンクイック」でお馴染みの「三菱東京UFJ銀行」でカードローンと教育ローン、それぞれの金利などの差を見てみましょう。
バンクイック | 教育ローン | |
---|---|---|
利用限度額 | 1万円~500万円 | 30万円~500万円 |
適用金利 | 4.6%~14.6% | 3.075% |
利用限度額は同じでも、適用される金利は大きく違うことがおわかりいただけるかと思います。
バンクイックの最低金利「4.6%」と比較しても、教育ローンの方が1.5%以上も低金利。しかも借り入れ金額が少なくても金利は一律ですから、金利面で言えば教育ローンの圧勝と言えそうです。
ただ、教育ローンがすべて優位…というわけでもありません。
当たり前ですが、教育ローンは教育に関する用途にしか利用できません。入学金、授業料、寄付金…といったところですね。
しかしカードローンは使いみちは「自由」。事業性資金と言って、いわゆる会社の資金として利用することは禁止されていますが、それ以外であれば何に使っても構いません。
教育ローンの場合、最初に200万円借りたらあとは返済のみ、完済したら終了です。
最初は確かに入学金のためにお金を借りたけれど、完済後は別の用途に使うためにお金を借りる…ということが出来るんです。
「どうせお金を借りるなら、他の用途にも使えるようにしておきたい」と思うのであればカードローンを選んだほうがいいでしょう。
こちらは、一概にどちらがいいとは言えないのですが、教育ローンの方がカードローンに比べると審査や条件が厳しい傾向にあります。
先ほどと同様、バンクイックと教育ローンの利用条件を比較してみますと
バンクイック | 教育ローン |
---|---|
・年齢が満20歳以上65歳未満 ・安定した収入がある ・保証会社の保証を受けられる |
・就学(予定)者の保護者、あるいは本人(社会人) ・申込時の年齢が満20歳以上、 かつ完済時に万70歳の誕生日まで ・前年度の税込み年収が200万円以上 ・勤続年数が1年以上 ・パソコンのEメールを持っている |
と、明らかに条件が違うことがわかりますよね。
教育ローンは適用される金利が低いため当たり前とも言えるのですが、気軽にお金を借りるならやはりカードローンです。しかし、まとまった金額を出来るだけ安く借りたいなら教育ローン、といったところですね。
カードローンと教育ローンどちらがいい?という話がありましたが、なんと地方の金融機関には「教育カードローン」なんてものもあるんです!
お金の使いみちは「教育関連」と限定はされているものの、カードローンのように自分の好きなタイミングでその時に必要な分だけのお金を借りることが出来るという、教育ローンとカードローンのいいとこどり!と言える商品。
そんな教育カードローン商品を扱っている金融機関をいくつか、その機関のカードローンや教育ローンと比較しつつご紹介したいと思います。
京都の信用金庫、「京都中央信用金庫」は一般的な「教育ローン」と、教育カードローン「学びの道」を提供しています。
もちろん普通のカードローンも6種類と、借りる手段は非常に豊富!
まずは何よりも利用条件をチェックしてみましょう。
とはいえ、条件はなんとこの2つは一緒。
この5つを満たしていれば問題ありません。
しかし借りたお金の使いみちは多少違いがあり、
教育ローン | 学びの道 |
---|---|
・入学金、授業料など1年分の納付金 ・下宿、教科書、制服などの付帯費用 (100万円以内に限る) ・他教育ローンの借り換え金 |
・入学金、授業料など1年分の納付金 ・下宿、教科書、制服などの付帯費用 |
このように、教育ローンは借り換えが出来るものの、下宿費用などの就学の際の付帯費用は100万円までときめられていますが、学びの道では特に制限がありません。その代わり借り換えには利用できなくなっています。
お金の利用方法はそう大きく変わらないことがわかりましたが、借入金額や金利には違いがあるのでしょうか?この点が一番知りたいところですよね。
実際どうなのか、表にして比較してみましょう。
教育ローン | 学びの道 | |
---|---|---|
融資金額 | 500万円以内 ※6年制大学なら1000万円以内 |
50万円~500万円 |
融資期間 | 10年以内※1 | 5年以内※2 |
融資利率 | 2.500% | 3.900% |
※1…6年制大学の場合は16年まで、
※2…6年制大学の場合は7年以内かつ利用期限の3ヶ月後の月末まで。借り入れ期限は学校・施設等の卒業・卒園予定月の月末まで
6年制大学とそれ以外で多少違う部分があるものの、基本的にはこのような形となっています。どちらも低金利ではあるものの、やはり教育ローンの方が金利が1.4%低い結果となっていますね。
加えて、「教育ローン」はインターネット上で申し込みが出来、郵送で契約することで店舗窓口まで行く必要がない「来店不要型」もあります。忙しい方でも教育ローンを利用できるのも嬉しいところですね。
京都中央信用金庫のカードローンと比較するとお得になるのか?という点も検証していきましょう。
京都中央信用金庫には6種類のカードローンがあるのですが、その中でも「プレミアムカードローン」と比較したいと思います。
もちろん使いみちは事業性資金を除けば自由!ただし条件は少々厳しく
しっかりと安定した収入がある方を対象とした商品です。
100万円 | 200万円 | 300万円 |
---|---|---|
7.0% | 6.0% | 5.0% |
金利は上記の表の通り。カードローンとしてはかなり低いのですが、やはり目的が定まったものに比べると高いと言わざるを得ません。教育カードローンと比較しても金額によっては約2倍の金利が適用されることになります。
しかし、300万円借りることが出来るのであれば、今後も使い続けることを視野に入れると選択肢として悪くはないかな?という感じです。
地方銀行のひとつ、「肥後銀行」も教育ローンと教育カードローンの2種類が用意されています。
京都中央信用金庫と違い、ちょっと条件や利用限度額に差があるなど、単純にローンとカードローンに分けた…という感じではない印象の商品となっています。
早速ですが「教育ローン」と「教育カードローン」の利用条件、及びお金の使いみちをチェックしてみましょう。
教育ローン | 教育カードローン |
---|---|
・満20歳以上満65歳以下 ・勤務/事業年数が2年以上または 現在の住所に1年以上居住 ・収入/所得が年間150万円以上 ・保証会社の保証を受けられる ・借り換え対象の債務の債務主 ※借り換えの場合のみ |
・満20歳以上満65歳以下 ・勤務/事業年数が2年以上または 現在の住所に1年以上居住 ・収入/所得が年間300万円以上 ・保証会社の保証を受けられる ・借り換え対象の債務の債務主 ※借り換えの場合のみ |
・子供/兄弟の高等学校以上の 学校への入学金や授業料など ・下宿費用、交通費、宿泊費など ・資格取得のための費用など ・教育ローンの借り換え資金 |
・子供/兄弟の高等学校以上の 学校への入学金や授業料など ・下宿費用、交通費、宿泊費など ・資格取得のための費用など ・教育ローンの借り換え資金 ※借り換えのみの利用は不可 |
教育カードローンで必要な年収は教育ローンの2倍!それ以外の条件は変わりません。また、使いみちも借り換えオンリーでのカードローンの利用が不可となっているだけで、それ以外の違いはありません。
注意しなければならないのは、高等学校以上(専修学校も含む)でないと対象にならない、という点でしょうか。私学の中学校や小学校は対象外となります。
次は融資金額、及び融資期間を比較してみます。
教育ローン | 教育カードローン | |
---|---|---|
融資金額 | 10万円~1000万円 | 50万円~300万円 ※教育ローンの借入残高と 合計して1000万円以内 |
融資期間 | 6ヶ月以上最高15年以内 | 在学または受講年数+1年以内 (最高5年) |
条件には大きな違いこそなかったものの、この差は大きいですね。「まとまった金額を借りるなら絶対に教育ローン」と言っても良さそうなくらいの差となっています。
カードローンは利用限度額が低いものの、返済すれば再度借り入れが可能なため低い設定になっている、とも言えますが…。
返済期間(融資期間)の差にも注目です。教育ローンでは借りたお金をつかう対象者(兄弟や子供など)が入学予定及び在学中であれば最長15年、既に卒業している、あるいは自身のための資金の場合は10年間となりますが、カードローンは関係なく最高でも5年間です。
借入金額に差が出る可能性はあるといえども、こちらも2倍以上の差があります。
最後に、金利面を見てみましょう。
教育ローン | 教育カードローン | |
---|---|---|
基準金利 | 3.15% | 3.35% |
公共料金の口座振替3種以上、 または積立預金などの取引がある |
2.45% | 2.65% |
給与振込口座に指定している | 1.95% | 2.15% |
他行・他社からの借り換え | 1.9% | 2.1% |
やはり、といってはなんですが教育ローンの方が0.2%とはいえ下回っています。ただ優遇金利がありますので、教育カードローンでも優遇金利で考えれば他の教育ローンに比べて十分低い金利で利用することが出来るとも考えられます。
ちなみに、肥後銀行の一般的なカードローンは3種類ありますが、基本的な金利は「12.5%~14.0%」で、利用限度額は100万円までと、比べるまでもなく…といったところでしょうか。
住宅ローン利用者専用カードローンであれば「7.5%」と10%未満で借りることが可能ですが、非常に条件が限定されていますので万人向けと言えないのが難しいところです。
とってもキュートな名前の「トマト銀行」でも、「トマト・教育ローン」と「トマト・教育カードローン」の2種類のカードローンを提供しています。
利用対象となる方が明確に分かれているのが特徴的な教育ローン/カードローンなのが特徴と言えそうです。
まずは利用条件と、借りたお金の使いみちです。「肥後銀行」の教育ローン及び教育カードローンに近い印象ですが、違う部分もいくつもあります。
トマト・教育ローン | トマト・教育カードローン |
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・満20歳以上満65歳以下かつ 完済時の年齢が満75歳以下 ・勤務/事業年数が1年以上 ・前年度の年収が150万円以上 ・保証会社の保証を受けられる ・勤務先あるいは居住先がトマト銀行の 営業区域内にある ※東京・大阪など一部支店を除く |
・満20歳以上満65歳以下かつ 完済時の年齢が満70歳以下 ・勤務/事業年数が3年以上 ・前年度の年収が300万円以上 ・保証会社の保証を受けられる ・勤務先あるいは居住先がトマト銀行の 営業区域内にある ※東京・大阪など一部支店を除く ・電話(携帯電話でも可)がある |
・子供/兄弟の入学金や授業料など ・下宿費用、交通費、宿泊費、受験料など ※合計50万円まで ・家賃、寮費、生活費など ※最高150万円まで ・指定の海外研修や海外留学の資金 ・上記で支払い済みのもの(3ヶ月以内) ・教育ローンの借り換え資金 |
・子供/兄弟の短大(専門学校を含む) 以上の学校への入学金 ・授業料や教科書代などの学資金 ・生活費や仕送り資金など ・教育ローンの借り換え資金 |
「トマト・教育ローン」では対象は基本的に指定されていません(想定は中学校以上のようです)。対して「トマト・教育カードローン」ははっきりと「短大(専門学校も含む)以上」と指定されています。
加えて条件も違い、肥後銀行と同様に必要な年収が2倍、勤続年数も3倍と差があります。また、完済時の年齢も5歳違うなど、「トマト・教育ローン」の方が条件はゆるめになっています。
続いてはそれぞれの融資可能額や金利について表にまとめたものをご覧頂きます。
トマト・教育ローン | トマト・教育カードローン | |
---|---|---|
融資金額 | 50万円~500万円※1 ※借換の場合ローン残高分 |
50万円~500万円 |
融資期間 | 14年7月以内※2 ※借換の場合残存期間以内 |
14年7月以内※3 ※借換の場合残存期間以内 |
融資利率 | 3.3%~4.5% | 3.8%~5.0% |
※1… 対象者が医学部・薬学部・歯学部に入学かつ勤続(営業)年数が3年以上、前年度税込年収が500万円以上の方の場合1,000万円まで
※2… 医学部などの6年制の場合は16年7ヶ月
※3… 医学部などの6年制の場合は16年7ヶ月。カード利用期間は当初卒業見込み年度の4月末まで(終了後は最長10年)
教育ローンであれば、条件を満たせば最高1,000万円までの借り入れも可能ですが、カードローンは500万円までです。これは他の金融機関と大きく変わりませんね。融資機関はどちらも非常に長く、最高で16年7ヶ月です。カードローンは卒業年度の4月末で新規借入が停止されますので、その点は注意ですね。
融資利率については今回ご紹介させていただいています他の商品に比べるとちょっと高めでしょうか。ただキャンペーンを定期的に行っており、その際には2.4%~3.6%の金利で利用することが可能です。
また、金利優遇にも対応しており、「トマト・スマイルプログラム」という取引状況に応じてポイントがたまるサービスのステージが「ブロンズ」以上であれば「0.5%」金利が優遇されます。
最後に恒例?の、カードローンとの比較も行っておきたいと思います。一般的な商品である「Q-Li(キューリ)」と少々特別な条件が必要な「トマト・サンクスカードローン」と比較してみます。
Q-Li | サンクス カードローン |
|
---|---|---|
利用条件 | ・年齢が満20歳以上満68歳以下 ・安定した収入がある(専業主婦可) ・保証会社の保証が得られる |
・年齢が満20歳以上満64歳以下 ・自身に安定した収入がある ・勤務先又は居住先が営業区域内にある ・給与振込口座に指定、あるいは 住宅ローンを利用している |
限度額 | 10万~1,000万 | 30万~500万 ※申込時は300万まで |
金利 | 3.0%~14.5% | 7.8% ※ネット申し込みなら6.8% |
Q-Liは非常に一般的なカードローンと言えるスペックですが、既にトマト銀行をよく利用している、メインバンクとしている方なら利用できる「トマト・サンクスカードローン」はネット申し込みであれば金利が非常に低く、「トマト・教育カードローン」と比較しても金利は2%程度しか違いません。
2%は決して小さな数字とは言えませんが、教育カードローンは借り入れ可能な期限が最高でも4年と決まっています。契約を更新し続ける限り利用することが可能なこちらのカードローンは、長く使いたいなら非常に低金利とあいまってお得と言えるでしょう。
ここまで比較してきましたが、やはり入学金や授業料など、はっきりと支払うものが決まっている場合は「教育ローン」を利用するのがベストだと言えるでしょう。
借入金額についてもそうですが、教育カードローンと比較して条件がゆるめなこと、返済期間が長く設定されていることが多いことが挙げられます。
とはいえ、途中でさらにお件が必要になってしまった…という場合は教育カードローンの方が便利です。多めにお金を借りておくという方法もありますが、たいていの場合見積書、支払った場合は領収書の提出が必要となりますので、追加融資は難しいことも。
最初にまとまったお金を借りるのは「教育ローン」で、追加で借り入れをしたくなったら「カードローン」を選択するのもアリですね。カードローンは一度契約してしまえば終了させない限り(基本的に)ずっと使うことが出来ますし、使いみちももちろん自由。
入学金だけに利用したいのか、それとも今後も困ったときのサポートとして利用したいのか。お金をどう借りるかによってベストな選択が変わりますので、しっかりと検討することが大切です。
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