貸金業法が改正されサラ金のイメージも少しずつ変わってきて、利用者数も景気の回復とともに増加に転じているローンも多いようですね。しかし、消費者の中にはサラ金のローン金利や利息に関する知識が乏しく借入後に返済で苦労することも少なくないようです。
サラ金の金利が低くなって利息が減るという話を聞いてローンの利用を始めたものの、気がついたら毎月の返済に追われる生活になっていたというようなケースは珍しくありませんね。
こうした状況にならないためにサラ金を利用する前に把握しておきたい金利計算とそのメリットについて説明します。何故金利計算の仕方を知っているとサラ金の利用によいのか、返済にどう役立つのか、といった内容を紹介していきましょう。
サラ金を利用する多くの消費者は契約した時の借入金利や利用限度額を把握しているものの、その後の借入れによる利息の負担のことを真剣に考えている方は意外と少ないかもしれません。
しかし、金利計算の仕方を理解して自分で計算できるようになれば利息の負担をできるだけおさえた返済をするようになるというようなメリットが得られることもあるのです。
サラ金と契約して決められた金利のもとで借入れをしてその返済を行っていく場合、最低返済額以上さえ払えばそれでよいと考えている利用者が少なくありません。つまり、利息の負担や返済額のことを十分に考えてサラ金を利用している方が意外と少ないのです。
そうした成り行きのローン利用をしていると金利の高さから利息がどんどん増えていき返済に行き詰ってしまうかもしれません。しかし、サラ金の利用者が自分で金利計算をして利息の負担を自分で実感するようになれば、適切なローン利用に向かうこともあるのです。
金利計算ができるようになれば自分で凡その返済額も計算できるでしょう。そうなれば返済額の目安を自分で立てられるようになるのでどの程度まで借入れしてよいのか、いけないのかの判断がつきやすくなります。
つまり、自分の返済能力に見合った借入れ、自分の身の丈に合ったローンの利用ができやすくなるわけですね。
サラ金の利息や返済額などは各サラ金の返済シミュレーションを活用すると簡単に計算できとても便利ですが、ローンの利用者が自分で適切な返済額を把握するようになれば返済計画の持つ価値がより大きくなるでしょう。
例えば、50万円を金利17%で借りて1年後に完済する場合の金利計算が自分で簡単にできれば、1年間で支払うことになる凡その利息や毎月の返済額も求めることができます。そして、その金額で返済可能であるなら返済計画が成り立つことになりますね。
逆に支払えない返済額であれば返済期間を延ばす、借入額を削減する、もっと金利の低いローンを選ぶ、などのローンの利用に関する再検討が必要であることがわかります。
このように金利計算ができると自分で凡その返済計画が簡単に立てられローンの利用に関するマネジメントができるようになるでしょう。
サラ金を利用する消費者の多くは利息のことをあまり深く考えないで借入れを続けるために、後日利息の増大への対応が遅れ返済が困難な状態になってしまうことが少なくないですね。
しかし、先ほどまでにみてきたように利用者が自分で金利計算をして利息の大きさを実感し支払うことのできる返済額を自分で設定することができれば、返済に困窮するような事態だけは避けることができるはずです。
そうした意識が養われるようになれば、返済の遅延がなくなるだけでなく過度な借り入れによる余計な利息を支払うことのない適切なローン利用へと繋がることが期待できますね。
チェックリスト:金利計算のメリット
金利の計算を自分でするメリットを理解できていても実際に計算できなくては意味がありませんね。ここではサラ金での基本的なローン金利の計算方法を確認していきましょう。
最初に基本的な金利の計算をみていきましょう。いくらの金利で、いくら借り、いつ返せばどれだけの利息がかかるのか、という基本的な計算の仕方は次のようになります。
利息=借入残高×借入金利÷365日(うるう都市は366日)×借入日数、で利息を求めることができます。例えば、1万円を金利17%で30日間借りた場合の利息は、1万円×0.17÷365日×30日=約140円と簡単に計算できますね。
10万円を金利16%で20日間借りた場合の利息は、10万円×0.16%÷365日×20日=約877円となります。こうして実際に計算すれば自分の借りる金額に対する利息の負担が大きいのか小さいのかがよく実感できるでしょう。
また、借入れしても返済できそうか、厳しそうかという判断もしやすくなってくるので、適切なローンの利用に役立つのではないでしょうか。
ただし、返済期間が30日を超える場合毎月の返済額によって借入残高が変動することになります。また、新たな借入れにより借入残高が増加するなどの変動もあるかもしれません。そうした場合の計算は次でみていきましょう。
サラ金ローンの場合残高スライドリボルビング方式の返済を採用しているケースが多くなっています。この返済方式は毎月に一定額或いは一定割合ずつ支払う返済ですが、利息や借入残高の計算が少し複雑になってしまいます。
例えば、50万円を金利17%で借りて1年後に元金と利息をあわせて返済する場合、利息は50万円×0.17=8.5万円で、元金と利息の合計は58.5万円となります。この金額を支払えばよいことになりますが、毎月に定額を返済する契約では内容が違ってきます。
50万円を年利17%で借りた場合の30日間の利息は50万円×0.17÷356日×30日=6986円になります。もしこの期間の返済額として20000円を支払う場合そのうち利息の6986円が最初に引かれ、残りの13014円が元金の返済に充てられます。
その結果、その月の借入残高は500000円-13014円=486986円となります。そして、次の月(30日間)の利息は、486986円×0.17÷365日×30日=約6804円となるのです。借入残高が減少したので利息が182円ほど少なくなりましたね。
このようにして元金がゼロになるまで毎月の返済が繰り返されていくわけですが、一般的に返済期間が短いほど返済額は多くなり、期間が長くなるほど返済額は少なくなりますね。
先ほどサラ金での具体的な金利計算を確認して借入金がどのように返済されるのかを概観しましたが、ここではその返済をさらに詳しくみていきます。
返済額のうちの利息の割合と元金の割合、その割合の変化や特徴などを確認して、それらがローンの利用にとってどのような影響を及ぼすのかを紹介しましょう。
現在のサラ金ローンの返済は残高スライドリボルビング方式が多くのローンで採用されています。この方式は毎月の返済額を残高に応じてスライドさせて決めるというものです。
この返済方式は毎月一定額で返済するという「リボ払い」と借入残高などに応じて返済額をスライドさせようとする方式をあわせたもので、残高スライド元利定率リボルビング方式や残高スライド元利定額リボルビング方式などがあります。
これらの返済方式では毎月の返済は前に確認したとおり返済額のうち利息に該当する部分がまず充てられ残額が元金の返済に充当されることになります。
例えば、50万円を金利18%で借り2年(24回払い)で返済する場合、毎月の返済額は24962円で最終回のみが23249円となります。そして、その24962円の内訳は最初の回では、元金が17565円、利息が7397となります。
表1:残高スライド元利定率リボルビング方式の返済額(借入金50万円、金利18%、24回払い)
回数 | 返済額(円) | 元金分(円) | 利息分(円) |
---|---|---|---|
初回 | 24962 | 17565 | 7397 |
2~10 | 24962 | 17825~20047 | 4915~7137 |
11~19 | 24962 | 20344~22880 | 2082~4618 |
20~23 | 24962 | 23219~24265 | 697~1743 |
最終回 | 23249 | 22911 | 338 |
合計24回 | ― | 500000 | 97201 |
下の表2には返済回数の違いによる返済額、元金、利息、利息の割合と利息合計の違いを把握できるようにまとめています。(返済回数以外の借入額や金利などの条件は表1の内容と同じです)
この結果では、まず返済回数が増加するほど返済額が小さくなり毎月の返済が楽になるというメリットが生じているのが理解できます。しかし、その反面利息合計も多くなり長期に渡って現金の流出が多くなるというデメリットも確認できますね。
返済額の内訳をみると、返済回数が少ない場合返済初期の返済額に占める利息の割が小さくなるので元金の返済が進み結果として早めに完済しやすくなるでしょう。
表2:異なる返済回数での初回の返済額の内訳と利息合計
回数 | 返済額(円) | 元金分(円) | 利息分(円) | 利息の割合 | 利息合計 |
---|---|---|---|---|---|
24回 | 24962 | 17565 | 7397 | 29.6% | 97375 |
36回 | 18076 | 10679 | 7397 | 40.9% | 147811 |
47回 | 14901 | 7504 | 7397 | 49.6% | 196053 |
金利計算することで利息の負担の大きさや返済期間の長さなどを把握したり、逆に利息の負担おさえた返済額を計算したり適切な返済期間を検討することができるようになります。
そして、それらを上手く活用すれば利用者の状況にあった最適な返済方法を検討することも可能なのです。
残高スライドリボルビング方式では毎月の借入残高に対して一定額や一定割合の返済額を支払っていくことになりますが、サラ金ローンによって返済額の設定ルールが異なっています。
ただし、多くのサラ金では最低返済額を借入残高に応じて設定していてその返済額以上支払えばよいという返済条件になっています。返済が苦しい時期には支払いが楽になりとても助かるシステムですが、返済額が少ないので完済までの時間が長くなってしまいますね。
そのため苦しい時期以外では最低返済額での支払い継続はオススメできません。例えば、借入額50万円、金利18%の場合、最低返済額が15000円と設定されると、完済するのに47回かかり、利息合計は194050円となります。
しかし、前ところでみた表2の例のように毎月の返済額を24962円にすれば24回払い、2年で完済することができ、利息も96675円少なくすみます。どうしても1.5万円しか払えない月はやむを得ないでしょうが、可能なら最低返済額以上に払うべきです。
サラ金の返済システムに任せているだけでは余計な利息を支払うとともに返済がなかなか終わらないような状況を作りかねないので利用者自身が金利計算をしてチェックしてほしいですね。
表3:大手サラ金の借入残高に対する最低返済額
サラ金 | 1万円~30万円 | 30万円超~100万円未満 | 100万円超か |
---|---|---|---|
A社 | 借入残高の4.2%以上 | 借入残高の3.0%以上 | 借入残高の2.0%~3.0%以上 |
B社 | 5000円~13000円 | 13000円~30000円 | 10万円増加するごとに1000円アップする |
C社 | 借入残高の3.61% | 借入残高の2.53% | 借入残高の1.99% |
サラ金ローンを適切に利用するためにはバランスのよい適切な返済を行うことが欠かせないでしょう。バランスのよい返済とは利用者のその時の状況にあった返済方法を随時見直して実行していくことに他なりません。
具体的には、先ほど確認したとおり返済が苦しい時期は最低返済額でしのぎ、余裕ができてきたら返済額を増額する、さらにボーナスなどの臨時収入が入れば追加で返済する、という方法を状況に合わせて実施することなのです。
数字を挙げて説明すると、生活が厳しい状態の時は最低返済額の15000円で支払い、余裕ができれば返済額を25000円にアップして返済を進め、さらにボーナスが入った月などでは100000円を追加で支払うというやり方です。
特に追加で支払う分が元金部分の返済に充てられればそれ以降の利息を多く減少させ、完済までの時期も大幅に短縮させる効果が期待できるので積極的に行ってほしいですね。
ここでは金利計算や今まで取り上げた返済額に関する面で注意しておきたい点を二つほど紹介しておきましょう。
金利計算をするようになると金利の高さや利息の多さに意識が向きサラ金の選定が適切に行えるなどのメリットが得られますが、金利の大小だけに注意が向きすぎて他のサービスの良い所を見逃さないように気を付けたいですね。
例えば、「初回利用者限定の30日間の無利息」や「ATM手数料の無料化」といったサービスを提供しているローンがありますが、これらは利息の低減やコストの低減に繋がるので金利が低いのと同様利用者の現金の流出をおさえるのに役立ちます。
上記のような無利息サービス、ATM手数料の無料化も具体的に計算してどの程度のコスト削減効果が得られるかを確認してみてはどうでしょうか。
例えば、100万円を金利15%で30日間借りると利息は12329円かかりますが、無利息サービスを利用すればその利息分の支払いを節約することができます。ATM手数料も1回あたり108円や216円かかるものが無料になれば一定のコスト削減になるでしょう。
既にサラ金ローンの最低返済額のデメリットを確認していますが、ローンによっては返済額が固定的になっていたり、繰り上げ返済が認められなかったりするなど返済の自由度が低いところもあるので注意が必要です。
サラ金にとっては顧客が長期に渡ってローンを利用するほうが利息収入は増えることになるので毎月の返済額を低めに固定しているところがあるといわれています。また、繰り上げ返済に制限を設けたり、手数料を徴収したりするところもあるようですね。
一見低利のローンのように思えても上記のように返済手段に足枷をつけているところもあるので返済額を検討する際にはこうした返済の条件も必ずチェックしましょう。
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