ちょっとでもキャッシングやカードローンを経験したことがある方なら、「借り換え」とか「おまとめ」といった言葉をお聞きになられたことがあるかと思います。大手の銀行、一部の消費者金融が「借り換えをすると得をする、大きなメリットがある」といった宣伝文句でいわゆる「おまとめローン」をすすめています。
この借り換えをするときも、まずしなくてはいけなのは、本当にそうするだけのメリットが自分にとってあるのか、ということ。ただ盲目的に宣伝文句を信じてはいけません。
それで以下ではこの借り換えの問題がそもそもどのようにして生まれるのか、そうすることのメリット&デメリットを一緒にみてみたいとおもいます。
借り換えをすべきか否か、それにまつわる注意事項について見る前にまずはなぜ借り換えが必要になるのか、そのバックグラウンドを見てみましょう。
借り換えが必要になる人、それは簡単にいうと、多重債務者の人 です。では、なぜ多重債務者の方は借り換えが必要になるのでしょうか?
多重債務者とはいうまでもなく、1社ではなく、複数の会社(それは多くの場合銀行以外の会社、いわゆるサラ金や街金と呼ばれる中小規模の貸金業者からが多いのですが)からお金を借りた人のことです。
通常、サラ金からの借り入れは金利が高めです。日本には利息制限法によって貸金業者の利率も制限されていますが、平均して18~20%の年率といっていいのではないかと思います。
しかも、サラ金の会社によっては返済方法がリボルビング払い(以下、リボ払いと略)がとられています。このリボ払いについてあまり調べずになんとなく受け入れている方がほとんどかと思いますが、リボ払いではなかなか返済が進まないという特徴があります。
毎月の返済が一定で、返済の予定が立てやすいと思いきや、その返済額がそれほど多くないため、元本がなかなか減らず、その結果いつまでたっても利息を払い続けなければならないという悪循環に陥ることになります。
それが1社だけでなく、3社も4社もとなれば、利息だけで相当な金額を支払うことになります。もちろんそれで良い、という方は構わないのですが、自分が支払った利息について気づいて、その額がどのくらいになるのか計算した瞬間、サラ金に利息を盲目的に支払うことがバカバカしいやら、腹立たしいやらで、この状態をなんとか脱したい、と思うのです。
そこで思いつくのがこの複数社からの債権を一つの銀行へと借り換えて、一本化したい、まとめたい、と思うようになるのです。
借り換えを検討するにあたってはそのメリットとデメリットを総合的に検討する必要がありますが、まずメリットをみてみましょう。
わかりやすく説明するために例を挙げましょう。例えば、以下のような借り入れをしているとします。
さて、1ヶ月に支払う金利はいくらになるでしょうか?A社の利息は7,083円、B社の利息は10,500円、C社からは10,666円。合計すると、28,294円ということになります。
では、これを銀行へ借り換えましょう。つまり銀行がまず債務合計200万円を建て替えて支払ってくれます。そのあとは債務者は銀行相手に一本化された債務の返済を続けていくわけです。
では、銀行のおまとめローンの利率が15%としましょう。ここで銀行の金利をサラ金より低くしているのは現状そうだからです。
結果はどうでしょうか?一月に支払う金利は25.000円と3,294円の差額が生まれます。
もちろん、これはあくまでも例に過ぎませんが、一本化されることにより、支払う金利は安くなるのが一般的です。また、ここであげたのは一月のうちに支払う金利にすぎませんが、返済期間が長くなればなるほど、その違いは明白になっていきます。
さて、もう一つ挙げたい借り換えのメリット、それは支払いのストレスを軽減することができる ということです。
例えば、4社のサラ金から同時にお金を借りている状況を想像してみましょう。毎月合計4回の返済日がある、ということです。つまり、1週間に1回は返済日がやってくる、というわけです。
そのストレスたるや相当のものでしょう。1週間に1回は「今回はちゃんと返済できるのだろうか」というストレスに直面しなければなりません。
しかし、それが一本化されれば、状況はまったく異なります。1月に1回ちゃんと返済に向きあえば良いのですから。また、債務の返済状況も把握しやすくなります。
借り入れをすることによっていいことばかりかといえば、そういうわけでもありません。
特に言われるのは、借り入れによって本当に支払うコストは減るのか? ということです。
先にみたように確かに金利だけで見れば、コストは減らせそうですが、実はコストはそれ以外にもかかることがあります。
例えば、サラ金をまとめて、銀行1社のみへ借り換えをする場合、借り換え手数料がかかることがあり、そのコストを計算にいれていないことがあります。
また、銀行の手数料は一般的にサラ金より低く設定されているのですが、そもそも多重債務者は貸し倒れの可能性が高いわけですから、金利面でそんなに優遇してくれることも期待できません。
借り換え、あるいはおまとめローンを商品として扱っている銀行もたくさんありますから、上記で言及したメリット&デメリットも一概に扱うことはできません。まずはそれぞれの会社で借り換えをしたとしたら、どのくらいのコストの削減になるのか、きちんとシュミレーションしてみることが重要です。
また、多重債務者の方には借り換えという方法以外にも、任意整理という方法もあることを覚えておきましょう。
サラ金からの多重債務を抱えている場合、自分では現状を把握するのが難しいのですが、弁護士に相談することによって、利息の支払いを減らしたり、免除したりすることができます。自分で悶々と悩んで安易に借り換えをする前に、弁護士費用はかかるものの、相談してみるのもひとつの方法でしょう。
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