サラ金か銀行か?どこからお金を借りようか考えた時、誰もがまず金利を見てしまうのではないでしょうか?
そして気づくはずです。サラ金、いわゆる消費者金融の方が、銀行よりも金利が高いと。
確かに数字だけを見ると利息を多く払わなければいけないだろうことは容易にわかります。人によっては、0.1%でも数字が低い方がいいと思うかもしれません。
しかし、ちょっと待ってください。サラ金の方が金利が高いのには訳があるのです。無駄に多く利益を得ている訳ではないのです。そして、数字だけでは見えないメリットもあるのです。
お金の借入先を決めるのに、お付き合いとか自身が気に入っている金融機関が特に決まっていなければ、どこから借りるかはまず悩むポイントになるでしょう。その場合、真っ先に目が行き、決め手になる一つに金利があるはずです。
もし例え借りる先にある程度目星がついていても、やはり金利は誰もが気になるところでしょう。
確かに金利は借入先の決め手になる一つであることには違いないですし、それだけが決め手にならなくても、やはり気になるものです。
そして、よく話に出てくるのは銀行とサラ金、いわゆる消費者金融で比べた場合、「銀行の方が、金利が低い」という点です。銀行の方が金利は低いのは、確かなのでしょうか。だとしたら、どれくらい違うのでしょうか。
よく知られている銀行や消費者金融で比べてみます。参考までに限度額も入れてあります。
会社(銀行)名 | 限度額 | 金 利 |
---|---|---|
三菱東京UFJ銀行 (バンクイック) |
500万円 | 4.6~14.6% |
三井住友銀行カードローン | 800万円 | 4.0~14.5% |
みずほ銀行カードローン | 1,000万円 | 3.0~7.0% 3.5~14.0% |
楽天銀行スーパーローン | 500万円 | 4.9~14.5% |
新生銀行レイク | 500万円 | 4.5~18.0% |
アコム | 800万円 | 3.0%~18.0% |
アイフル | 500万円 | 4.5~18.0% |
モビット | 800万円 | 3.0~18.0% |
プロミス | 500万円 | 4.5~17.8% |
こうやって比べて見るとわかると思いますが、銀行の場合、大抵上限が14%台になっており、サラ金の方は18%台が多くあります。
下限側の方は、一部特出した金融機関はあるものの、おおむね似たような数字と言えます。
サラ金には全国的に知られた大手の会社だけでなく、中小規模の業者も多く存在します。ですので、中小規模のサラ金の金利も見てみたいと思います。と言うのは、サラ金の場合、大手と中小だと金利に違いがあると言われるからです。
会社名 | 限度額 | 金 利 |
---|---|---|
ノーローン | 300万円 | 4.9~18.0% |
アロー | 200万円 | 15.00~19.94% |
セントラル | 100万円 | 4.80~18.00% |
フクホー | 100万円 200万円 |
7.30~18.00% 7.30~15.00% |
会社によって若干の差がありますが、基本的に上限はほぼ似たような数字になっています。
違いとしては、下の方の差が大きいと感じるのではないでしょうか。
一覧にしてみると一目瞭然ですが、まず金利の上限が銀行とサラ金で大きく違います。そして、サラ金の中でも大手の場合と中小規模の場合では、低い数字の方に差が表れています。これがそれぞれ、銀行、大手消費者金融、中小消費者金融の特徴と言えるでしょう。
消費者金融の中での違いは限度額からもわかるように、規模による会社の体力、いわゆる資金力によるものと考えていいと思います。
銀行とサラ金の差は、特にはっきりしていると言えます。これは、銀行の場合、事業が貸金業だけでないのもあるのでしょうが、融資に関しては特に審査の厳しさが影響しています。
銀行とサラ金で比べた場合、銀行の方が、かなり審査が厳しいと言われています。
また審査の厳しさで言えば、サラ金の中でも大手と中小の違いでやはり差があると言われていますが、これもまた金利に反映していると言えます。
例えば、4.7~18.0%と金利の数字に枠があり、初めての借り入れの場合は、限度額は少なめで金利は数字の大きな方になります。
これが意外に落とし穴ともいえるかもしれません。このことを知らない人は、勝手に低い4.7%だと思い込んで後で驚いたり返済計画が狂う場合があります。
なぜ初めての場合は金利が高い方になるのか。それは、業者からすると借りる人間がきちんと返済できるかどうかがまだはっきりしないため、様子見を兼ねて限度額を少なめに設定しているからです。基本的に限度額が低い場合は、金利が高く設定されています。
もちろん、返済の実績を積み上げていけば限度額は上がり、それに伴い金利も下がってくるのが一般的です。
元々のサラ金の金利が高いかどうかの問題はさておき、とりあえずは初めての借り入れの場合は、表記してある金利の数字の高い方になるだろうことは知っておくと後で困りません。
肝心のサラ金の方が銀行よりも金利が高いその理由ですが、まず先に挙げた審査の厳しさについても当然理由の一つになります。
しかしこれはどちらかといえば、結局は同じことなのですが「サラ金の方が金利が高い」という認識よりも「銀行の方が金利が低い」と見られがちです。
サラ金を基準に見た場合、その高さの理由としてあげられるのはこれらがあります。
審査の厳しさについては、今さら言うまでもなくわかっている人は多いでしょう。
それよりも意外に大きなポイントとなるのが、貸し倒れのリスクになります。
「自分はきちんと返済している。そんなに返済に困っている人はいるのか?」と思う人もいるかもしれません。借りたら返すのは当たり前のことなのですが、この当たり前がなかなか難しい人がいるのも事実なのです。
少し古いのですが、平成24年の貸金業協会にあるデータでは、大手貸金業者6社で正常返済や完済できている人は77.9%です。残りの22.1%はこれらの人です。
貸し倒れの理由 | 割 合 |
---|---|
過払い金返還請求に移行 | 8.7% |
3か月以上延滞 | 7.1% |
弁護士介入等 | 6.1% |
その他(死亡・和解) | 0.2% |
過払い金以外で見ても、合わせると10%を超えています。こうやって考えると、貸し倒れのリスクは、かなり経営に大きな支障になることは間違いないでしょう。
金利を低くすれば負担が減るからきちんと返済をする人が増えるではないか、とも考えられますが、実際に小額融資の場合も多く、その場合、人間の甘さとして「ちょっとぐらい」的な心理になってしまうこともあり得ます。
会社の体力もあるでしょうが、この貸し倒れは現実的に0にすることは難しいので、どうしても金利に反映せざえるを得ないのです。
もうひと一つの理由として、サラ金業者自体も銀行より融資を受けているということがあります。
そう聞くと「え?」と思う人も多いでしょうが、これが実際にはあるのです。
実際にアコムの資料を見ると、具体的な銀行名はなかったのですが資金調達のとして、いくつかの銀行から借入しているのが記載されていました。
借入先 | 借入金残高での割合 |
---|---|
都市銀行 | 23.5% |
地方銀行 | 6.4% |
信託銀行 | 25.3% |
外国銀行 | 0.6% |
生命保険会社 | 3.3% |
損害保険会社 | 0.7% |
その他 | 5.2% |
合 計 | 65% |
※後の35%は、直接借入として普通社債(34.8%)と債権流動化(0.2%)がある。
これは一例ですが、こうやってみるとサラ金会社も借金を抱えているとわかります。銀行の場合は、その必要はまずほとんどありません。
サラ金の場合は、会社が抱えている返済に付く金利分も必要なため、どうしても銀行よりもキャッシングでの金利が高くなってしまうのです。
銀行とサラ金では金利は違うとしても、どちらにしろ法律で決められている上限を超えることはありません。
下記の表でわかるように、昔は出資方の金利はもっと高く罰則との関係もあって(利息制限法は罰則がないので、大抵の会社は出資法に合わせた金利だった)社会問題にもなっていたのですが、今は貸金業法も改正されています。そういう意味では、サラ金の金利は適正になったとも受け取れます。
利息制限法 | 出資法(改正前) | |
---|---|---|
金 利 | 20%まで | 29.2% |
罰 則 | な し | あ り |
昔の金利で借金を返済していた場合、今の金利を超える分は返済請求ができます。これが今よく言われる過払い金の請求です。専門家に対応をお願いする必要はあるのですが、心当たりのある方は一度専門家に相談するのもありかもしれません。
今は出資法も利息制限法に合わせ、20%上限になりました。今の時代で金利が20%以上付いているとしたら、それは闇金になるので注意が必要です。
ちなみに利息制限法では金額で金利がこのように区分されていますので参考にしてください。
利息制限法で決まっている金利
融資額 | 金利(年率) |
---|---|
10万円未満 | 20%まで |
10万円以上100万円未満 | 18%まで |
100万円以上 | 15%まで |
銀行とサラ金で金利を比べてみると、「やはり銀行の方がいいじゃないか!」と誰もが思うでしょうが、お金を借りるということは金利だけの問題ではないということも、現実問題としてサラ金業者を利用している人を見るとわかると思います。
というのは、すでに話にも出たようにサラ金の場合、銀行よりも審査が緩いということがある点です。
世の中には、いろいろな職業があります。サラリーマンのように固定給の方も見えれば、自営のようにその日の売上によって収入が変わるという人もいます。収入の金額も正社員とアルバイトで違うように様々です。
人によっては銀行の審査に通らないだろう、または通りにくいだろうことも可能性としてあるのです。
結局、貸し倒れを考慮して金利が高くなってしまうということには繋がってしまうのですが、だからこそいろいろな人がいるので審査がある程度緩い業者も必要になるのではないでしょうか。
もちろん、収入がまったくない無職の場合には、最初から貸し倒れが予想されてしまうので審査に通ることはないでしょう。
金利の面、審査以外の点で独自のサービスを打ち出している業者も多くあります。サービス内容も多岐に渡っています。
ここにあげるのは、ほんの一例です。
業者名 | サービス内容 |
---|---|
アコム | 専用コースの設置 (女性・個人事業主・借り換えなど) 簡易診断 返済シュミレーション 会員サービス (ネット手続き・返済日前メール連絡など) スマートフォンアプリ設置 |
アイフル | 専用コースの設置 (女性・個人事業主・借り換えなど) 簡易診断 返済シュミレーション 会員サービス (ネット手続き・返済日前メール連絡など) |
プロミス | WEB完結 専用コースの設置 (個人事業主・借り換えなど) 簡易診断 返済シュミレーション 会員サービス (ポイントサービス・返済日前メール連絡・会員優待での施設利用など) 提携ATM手数料一部無料 スマートフォンアプリ設置 |
モビット | WEB完結 返済シュミレーション 会員サービス (ネット手続き・返済日前メール連絡など) スマートフォンアプリ設置 |
他にもあるのですが、それぞれ業者によっていろいろです。銀行も負けじとサービスを打ち出しているところはあるのですが、サービスに関しては、やはりサラ金の方が進んでいると言えます。
少しでも顧客を獲得したいと銀行もサラ金も、金利以外にも様々な手法を用いますが、サラ金だからこそあるとも言える無利息キャンペーンは利用の仕方によっては、銀行よりも利息の支払いが少なくすむ可能性があります。
主に知られているキャンペーンにはこれらのものがあります。
業者名 | キャンペーン内容 |
---|---|
アコム | 最大30日間金利0円 (はじめての方対象) |
アイフル | 最大30日間利息0円 (はじめての方対象) |
プロミス | 30日間利息0 |
ノーローン | 何度でも1週間無利息 |
サービスがあるとはいえ、やはり金利の差は大きいと言えます。この差はどうしても埋めることはできないでしょう。
しかし、サラ金のサービスの使い方によっては、銀行の金利の良さ以上に、負担なくやりくりすることも可能なのです。
例えば給料直前は金欠で給料さえ入れば全額返済できるのがわかっている場合、無利息キャンペーンを使うと利息を支払わずにお金を返済できる可能性もあるのです。
特にノーローンは何度でも利用できるので、給料日直前に借入すればなんとかなる、給料との兼ね合いで借金のやりくりができるような人にはおあつらえ向きです。
また、返済期間が長くなれば長くなるほど結局は利息の額は大きくなるということもあるため、必ずしも金利の低さが全てではなく、返済の回数や方法によっても変わります。
例えば50万円借りたとして返済回数のみ違うとします。とあるサラ金のシュミレーションを活用して計算してみますと。(返済方式をそろえるため、同じサラ金業者で計算)
金利 返済回数 |
返済総額 | 利息額 |
---|---|---|
15% 10回 |
534,493円 | 34,493円 |
15% 20回 |
567,103円 | 67,103円 |
18% 10回 |
541,535円 | 41,535円 |
同じ金利の15%の10回と20回で違うのは当然ですが、18%でも10回ならば15%の20回よりも利息が少なくすみます。これから見ても金利が全てではないことがわかると思います。
自分の返済能力に合わせて返済シュミレーションを使って調べ、いかに利息を少なく返済できるかも知ることはできます。
自分の必要額やタイミング、返済能力を考えて、上手に利用するといいのではないでしょうか。
金利が低ければいいとは限らないというのは、一見不思議に思うかもしれません。しかし、毎月の返済額が少なく、なかなか借金が減らないという人がいるのは、ここに理由があるのも一つです。
それに例え金利が低くとも審査に通らないと意味はないですし、担当者の対応しだいで業者を選ぶ人もいます。
忘れっぽい人は、返済をすぐに忘れて延滞をしてしまって金融事故になってしまうことも考えられます。
金利だけでなくいろいろなサービスを活用した方が、結果的に低金利よりも最終的に得になることだってあります。
金利だけではわからないメリットは多くあります。いろいろな面を見て比べ、自分がどこから借りればいいのか判断するといいでしょう。
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